東京都生まれのライター。コアマガジンのエロ本編集部を経てフリーに。 異端的性愛のリアル、現代的売買春の哀愁など、下半身のアレやコレやを中心に、マスメディアの陰翳にて記事を執筆している。
NEW第九部 あんぐら堂という革命児 ~大団円の前に~ ビルドゥングスロマンと呼ばれる小説のジャンルがある。ダメだった主人公がさまざまな苦難を乗り越え人として成長していくという筋書きの物語のことだ。一方、ピカレスクロマンと呼ばれるジャンルもある。これは悪漢小説とも呼ばれ、社会の底層にいる人間が罪を犯して生きる…
第八部 都合のいい美談 あんぐら堂の物語ももう少しで終幕である。この原稿の執筆にあたっては複数回に分けてあんぐら堂本人から聞き取りを行い、その音源を素材に構成、そして音源が尽きたら再度聞き取り、という流れで行ってきたのだが、何度会ってみても、このあんぐら堂という男は本当に…
第七部 メメントモリ 油断と慢心。トラブルの原因はいつだってそれだ。織田信長が本能寺で焼き殺されたのも、坂本龍馬が近江屋で暗殺されたのも、田中角栄がロッキード事件で逮捕されたのも、福島第一原発がメルトダウンしたのも、あるいは先週、僕がポケットの中に入れっぱなしにしていた…
第六部 世界はそれを恋と呼ぶんだぜ ロマンチックラブ、つまり僕たちが日常で「恋愛」と呼んでいる情動は、決して古くから認識されていたものじゃない。歴史を辿れば、その起源は12世紀のヨーロッパにある。貴族の宮廷内における婚外恋愛、つまり現在でいう不倫行為における情熱的な男女の結びつきが…
第五部 東京タワーと留置場 本の中に獄中記というジャンルがある。なんらかの罪を犯し、逮捕されたものたちが獄中で記した文章をまとめた本のことだ。僕はこの獄中記が好きである。あるいは犯罪者の独白が好きである。近年では木嶋佳苗の…
第四部 懲悪の瞬間 勧善懲悪ドラマが嫌いである。いや、別にあらためてドラマ『水戸黄門』にケチな批評を下そうというわけじゃない。単に個人的な美意識として、世間の道徳観に屈託なく寄り添っている善なるヒーローよりも、世間の良識を逆撫でしながらも…
第三部 約束された破綻 貨幣フェティシズムの発生について、マルクスを引き合いに講釈する必要など、もはやあるまい。我々は金が好きだ。貨幣が好きだ。それはもう、どうしようもなく、狂おしいほどの情熱である。女のために、あるいは男のために命を落とすものというのもまた…
第二部 あんぐら堂の誕生 「美しい少女ほど、コレクションの対象とするのにふさわしい存在はあるまい」これは、かのフランス文学者・澁澤龍彦が、著書『人形愛序説』に記した言葉である。澁澤において、少女のえもしれぬ魅力の正体とは、少女という存在が持つ「本質的な客体性」にあった…
第一部 母思いのロリコン少年 「親父はけっこう暴力的な人で、今でいうDQNでした。だから、母親を守るのは自分なんだと小さい頃から思ってたんです」 あんぐら堂が生まれたのは神奈川県海老名市。バブル経済を前に控えた好景気が列島を包み、日本中をディスコブームが席巻、原宿では竹の子族が乱舞していた…
序 「そもそもはただのロリコンなんですよ」FC2ロゴの自家製Tシャツに、ルーズなジャージパンツ。足元はコンバースのオールスター、それもドンキホーテで売ってる一番安いやつ――池袋のサイゼリヤで僕と向かい合うその男の姿は、お世辞にも「イケてる」とは言い難かった…
まほ(誌宝)に撮られた少女 「私、まほって人に撮られたことあります」 そのメールが来たのは2月の下旬のことだった。
FILE No.02 みや みや(27歳/山形出身/事務OL) 捕獲場所:キ○リ上野店
FILE No.01 ちな ちな(19歳/熊本出身/専門学生) 捕獲場所:池袋キ○リ西口店